顎関節症とは

顎関節症とは、関節の障害や筋肉の緊張、ストレスなどさまざまな原因から起こり、「食べる」や「話す」などに支障をきたす病気です。
顎関節症が疑われる人は、「アゴが痛い」「口が開かない」「アゴを動かすと音がする」などの症状で受診される方が多く、顎関節の開口域(可動域:何㎜口が開くか)は重症度をはかる目安のひとつになります。
開口域
40㎜以上 | 正常 |
35~39㎜ | 軽度 |
30~34㎜ | 中等度 |
~29㎜ | 重度 |
口を開けて、自分の指2本を縦にして入らなければ、それだけで顎関節症と診断される場合もあります。
顎関節症の原因

顎関節症には咀嚼筋の障害や、関節包や靭帯、関節円板、関節の変形による障害など、いろいろな原因が考えられます。中でも、歯の噛み合わせの異常によるものが多く、左右どちらかの方だけで噛む癖であったり、歯ぎしりやくいしばりなどアゴを酷使したりすると顎関節に負担をかけ症状が出現します。
ほかにも、不良姿勢といわれる頬杖や猫背、顔面の打撲や交通事故などの外傷、過度な緊張、睡眠障害などが原因で顎関節症になる場合もあります。
顎関節症の治療

顎関節症の症状である「アゴの痛み」「口が開かない」「音がする」のどれか一つでもあれば、顎関節周囲の筋肉や関節に炎症がないか、関節のズレの有無、骨の変形や異常などを確認し、それぞれにあった治療が行われます。
治療の選択肢としては、次のものがあります。
- 薬物治療(痛みや炎症を抑える)
- スプリント療法(マウスピースを使用し、顎関節の位置を整える)
- 物理療法(電気を流したり、温罨法やマッサージを行い、血流を改善する)
- ストレッチ(顎関節周囲の筋肉の緊張をほぐし、顎関節の可動域を広げる)
- 心理療法(パニック障害やうつなどがある場合には、精神面のフォローを行う)
顎関節症は、顎の症状だけにとどまらず、耳の痛みや肩こり、頭痛などの症状に発展する方もいらっしゃいます。 顎の痛み、動かしづらさなどでお悩みの場合には、ぜひ一度歯科を受診してみてはいかがでしょうか。